XLR250の購入を考えているけど、今ひとつ購入すべきか悩んでいるという方は多いのはないのでしょうか?80年代のバイクということもあり、情報量の少なさが目立ちます。
そこでオーナーよりXLR250について詳しく解説させていただきます。ぜひ購入を検討されている方は参考にしていただけたらと思いますので最後までチェックしてみてください。
この記事で分かること
・XLR250とはどういうバイクか
・実際に所有してみたオーナーの感想
・定期メンテの箇所と今までのトラブル発生箇所
・XLR250の良い点、悪い点
XLR250の概要
今でも海外をメインにコアなファンを持つXRシリーズ。
まずは、XLR250とはどういうバイクか解説いたします。以下では特徴と基本スペックについても触れさせていただきます。
XLR250とはどういうバイクか
先祖にオフ車としては珍しいツインキャブを装備するXLX250という風変わりなバイクを先祖に持つXLR。
自慢のRFVCエンジンはそのまま受け継ぎ、シングルキャブになりましたが、馬力、車体重量ともに前作より改善されたモデルです。
初期型はエンジンが真っ赤に塗装され、スイングアーム、ホイール等がゴールドというド派手なデザインでした。
本記事で紹介するXLRは2代目のモデル、1986年製のMD20というモデルです。
MD20からはデザインが一新され、ボアストローク比の変更、加速ポンプ付きのPD型キャブの採用により、より中低速に厚みを持たすことに成功しています。
その後のモデルチェンジでは、グラフィック変更、ブレーキシステムの変更、サスの細かい変更など、ベースはMD20のままとなっております。
スペック
車重の軽さに目が行きます。120キロの車重に、28馬力のエンジンなのでかなり軽快に走れる印象です。
ただ、MD20型だとリアドラム式となります。※MD22型より前後ディスクに変更。
型式 | MD20 |
全長(mm) | 2165 |
全幅(mm) | 860 |
全高(mm) | 1210 |
車両重量(kg) | 121 |
燃費(km/L) | 50.3 |
排気量(cc) | 249 |
高出力(ps) | 28 |
最大トルク(kgf・m) | 2.5 |
特徴
- RFVCエンジンを搭載し、高回転まで綺麗に回る
XRシリーズには基本搭載されていますが、やはり綺麗に上まで回るのが特徴と言えます。 - バッテリーレス
長所でもあり短所でもありますが、この車両にはバッテリーが搭載されていません。
その為、軽量化には貢献していますが、始動はキックオンリーとなります。 - メンテナンス性に優れている
古いバイクには共通していますが、今時の電装部品はかなり少ないです。
その為、エンジン内部のクリアランスが保たれており、出先でのメンテナンスも簡単に行えます。 - 重量が軽く、足つきが良い
車重が120キロと250クラスのオフ車の中ではかなり軽いです。
また、足つきもよく、身長約170センチのオーナーでも不安なく乗れます、初心者でも乗りやすいとも言えますね。
インプレッション
デザイン
購入の決め手にもなった、青と赤というクラシカルな配色が特徴的です。
また、全体的に角張ったデザインも時代を感じさせます。
始動面
先述いたしましたが、キックオンリーとなります。
ただ、オートデコンプが装備されている為、軽いキック2〜3発で掛かるのでそこまでキツイ作業ではないです。
とはいえ、林道など足場の悪い場面では、セルが欲しくなります・・・。
走行面
街乗り
軽量かつ適度な馬力のおかげで基本的にはストレスを感じさせない乗り心地となっています。
また、履いているタイヤの影響(IRC GP210)もあるかと思いますが、ハンドリングが軽いです。その為、狭い街中での小回りがかなり効く印象を受けます。
長所でもある加速ポンプ付きの強制開閉式キャブですが、確かに負圧式と比較するとレスポンスの良さは感じます。ただ、開け始めが固く、デリケートな操作を求められます。(張り付きのせい・・・?)
オフロード
スペックの通りそこまでキビキビ走る印象は持てません。
しかし、最低限のパワーとフラットな出力特性のおかげで、タイヤさえ適したものを履けばそこそこ走れる印象を持ちました。
初心者なら下手な2ストより、尚更扱いやすいかと思います。
装備面
タコメーターなどは装備されていませんが、必要最低限は装備されています。
電動系に関しては、バッテリーレスかつ、交流式となっているのでライト類はかなり暗いです。
この点ですが、レンズとバルブ交換で多少の改善は行えます。(ただ、やはり夜道は苦手・・・)
その他、オプションにはなりますがキャリアを装備しているので積載量は稼げます。
また、時代を感じさせるスピード警告灯も装備されています。
メンテナンスとトラブルについて
生産終了してからかなり年月が経つバイクですので、この点が気になる方も多いかと思います。
実施しているメンテナンスと、過去のトラブルを紹介いたします。
定期メンテナンスについて
基本的には他のバイクと同じく消耗品部品の交換のみを行っています。
ただし年式相応ですが、ゴム、ガスケットなどの部品は基本的に交換が前提となります。
エンジンのオイル滲み、多少のカチャカチャ音などはしますが、それ以外は定期的にオイルなどの消耗品を交換しているだけで、大きなトラブルは発生していません。
気になる部品の供給状況ですが基本的に専用部品は中古品のみになりますが、消耗品類は流用、汎用品にはなりますが手に入ります。
トラブルについて
古い車両なだけあり、やはりゼロではありません。
- キャリパーの固着
こちらは納車時からでしたが、キャリパー内のピストンが固着していました。
その為、常にブレーキが効いている状態に・・・。
現在でもキャリパー内のブッシュ類は手に入るので交換して改善いたしました。 - キャブレター内のメインジェット脱落
これは劣化のせいか不明ですが、突然アクセル全開時にエンストするようになりました。
キャブ内でメインジェットの脱落を確認したので元に戻し改善いたしました。 - クラッチケーブルの切断
交換で改善。 - メーターケーブルの切断
交換で改善。
以上の内容が過去のトラブル発生箇所になります。
基本的には消耗品部分の劣化がメインですので、購入時には全体的にリフレッシュしてあげることが予防策となります。
まとめ
良い点
- バッテリーレスでバッテリー上がりの心配がなく、軽量化に貢献している。
- 車重が軽く、エンジンもフラットな特性なので初心者ライダーでも運転しやすい。
- 単純な構造の為、メンテナンス性に優れている。
- 消耗品のメンテナンスさえしていれば基本的に頑丈。
- XRシリーズの中では比較的安価。※メンテナンス前提なのでプラス費用は発生する。
- 今には無いデザイン。
悪い点
- 良くも悪くもキックオンリー。林道では疲れてしまうかも・・・。
- 比較的にメンテナンスを行う頻度は高いので整備知識は必要になる。
- 強制開閉式キャブの扱いが若干デリケート。発進時のギクシャクに繋がる。
- ライト類はオマケ程度のスペック。
最後に
いかがだったでしょうか?
スペックとしてはバランスが良く、初心者でも乗りやすい車両だと思います。
ただ、古いバイクということを十分理解した上での購入をオススメします。
決して、整備が難しい車両ではないので今まで経験がないという方でも、基本を勉強できる車両かと思います。
以上、購入の参考になりましたら幸いです!